通信制高校に行きたい人必見!基本的な部分からわかりやすく解説

通信制高校には、何らかの事情で全日制高校に通えない人たちが在籍しています。年齢層も非常に幅広く、下は15歳から上は60歳を超えるなど、本当にいろんな人が通っているんです。ここでは、通信制高校に興味を抱いている人に向けて、「そもそも通信制高校とは何ぞや?」という基本的なところから、わかりやすく解説していきます。

通信制高校とは?

通信制高校を卒業すると、全日制高校と同じ「高校卒業資格」を取得することができます。いわゆる高卒者という意味では、通信制高校の出身者であろうが、全日制高校の出身者であろうが、特に違いはないわけです。漠然とマイナスイメージを持っている人が多いようですが、通信制高校も国が認めている高等学校の一つなんです。

ただし、全日制高校とは勉強のスタイルが大きく異なります。通信制高校では「単位制」を採用しており、決められた単位を修得してしまえば、最短3年間で卒業することができます。毎日学校へ登校する必要はなく、自宅学習も可能なんです。

一口に通信制高校といっても、さまざまなタイプの学校が存在します。例えば、専門分野に特化したコースがある学校では、高校の勉強をしながら専門分野の資格をとったり、特定の技術を身に付けたりすることができます。

美容師やネイリストといった美容分野をはじめ、ゲームクリエイターや声優、プログラミングに至るまで、就職に直結するようなスキルを学べる学校もあるようです。また、就職ではなく、大学へ進学したいという人に向けて、大学進学コースを設けているところもあります。

全日制と通信制の違い

全日制高校では、あらかじめ決められている時間割にそって、クラスのみんなが同じように勉強を進めていくのが一般的ですよね。月曜〜金曜日までの週5日、登校することが義務付けられています。一方で通信制高校は、自宅学習を基本とします。

各教科ごとに問題集が用意されており、自分で問題を解いていくという学習スタイルです。この問題集はレポートと呼ばれますが、レポートを提出することで単位取得を目指します。また、年に2回ほどテストも実施されます。

74単位以上の修得が卒業の条件であり、在籍中に修得できればペース配分は個人の自由です。1年目に20単位、2年目に30単位、3年目に残りの24単位など、人それぞれ違います。通信制高校にも、登校日はあります。

スクーリングと呼ばれていますが、各学校によって日数は大きく異なります。年に4~5日程度という学校もあれば、週に2~3日程度という学校もあります。公立の通信制高校の場合は、週1日のスクーリングを採用しているところが多いようです。

全日制高校に比べて、通信制高校は圧倒的に登校日が少ないため、時間的な自由度は高いといえます。

通信制高校にも公立と私立がある

通信制高校にも都道府県運営の公立と学校法人・企業運営の私立があり、それぞれの特徴は大きく異なります。まずは、学費の違いです。公立は年間数万円、私立は年間約25万円~が目安の金額でしょう。学費が高い分、私立には豊富な学習スタイルやコースなどが用意されています。

資格取得用のコースがあったり、スクーリングの日程を柔軟に変更できたり、インターネットを介して質問できたりなど、充実したサポート環境が私立ならではのメリットといえます。ちなみに、学費の負担を減らすには「高等学校等就学支援金制度」を利用するとよいでしょう。

受給資格を満たしていれば、国から支援金が支給されるという制度です。

通信制高校に行く方法

ほとんどの通信制高校では、1月頃から願書の受付が始まるようです。特に人気が高い学校は、早くに定員に達してしまうことも珍しくありません。通信制高校へ行くと決めたのなら、少しでも早く準備に取りかかることをおすすめします。

学校選びのポイントは、しっかりと情報収集をすることです。まずはインターネットを使って、より多くの情報を集めましょう。気になる学校が見つかったら、資料請求をしてさらに詳しい情報を入手します。そして、実際に学校を見学することも大切です。

合同説明会や学校見学に参加して、その学校の雰囲気をぜひ体感してみてください。目当ての学校が見つかったら、いよいよ願書を提出します。通信制高校の入学試験では、基本的に学力試験はありません。その代わり、面接や作文などで出願者を判断します。

無事に書類選考を通過したら、入学という流れになります。

通信制高校のメリット

通信制高校に通う最大のメリットは、やはり時間の自由度でしょう。週に1日のスクーリングでよい場合は、それ以外の時間は何をしてもよいということです。学費を稼ぐためにアルバイトをする人もいるでしょうし、特定の資格取得を目指して試験勉強をしても構いません。

毎日登校することが当たり前とされている全日制高校では、通信制高校のような時間的余裕は確保しにくいですよね。また、クラスメイトとのコミュニケーションが苦手で、中学時代は毎日学校に行くのが憂うつだったという人でも、スクーリングが少ない分、通信制高校では精神的な負担が少なくなるといえます。

自分のペースでゆっくりと、高校生活に馴染んでいけばよいのです。通信制高校では、幅広い年齢層の人が学んでいます。必ずしも、同世代の学生ばかりが集まっているとは限りません。普段はあまり関わりのないような人たちとも知り合うことができるため、視野が大きく広がるかもしれませんね。

社会人経験のある人からは、就職に役立つ情報を教えてもらうこともできそうです。また、通信制高校を卒業したら「高校卒業資格」を取得できることもメリットでしょう。中卒と高卒では、就職率に明らかな差がみられます。

高卒になることで、就職先の選択肢も広がるのです。

サポート校を併用するのもおすすめ

サポート校とは、通信制高校に通う生徒の学習支援を行っている民間の教育施設です。塾をイメージしてもらうと、わかりやすいかと思います。通信制高校と提携して、独自のカリキュラムを通して生徒一人ひとりをサポートしてくれます。

自宅学習がメインとなる通信制高校では、自己管理が欠かせません。自分で学習計画を立てて、自らの意志で学習していく姿勢が求められます。自宅には誘惑が多いので、ついサボってしまうこともあるでしょう。そもそも勉強自体が苦手で、自力でレポートを提出するのが難しいという人も少なくありません。

そこでサポート校では、レポートの指導を中心に行っています。また、カウンセラーがいるサポート校もあるようです。不登校気味だった生徒の支援や個人面談など、一人ひとりに合わせたきめ細かなサポートを強みとしています。

通信制高校を卒業できるか不安という人は、サポート校を併用するのもおすすめです。

参考…通信制高校ガイドhttps://tsusinsei-guide.net/